能登の復興支援を目的に、シャンデリア・アーティストKIM SONGHE(キムソンヘ)氏とアートチャリティーオークションを開催しました

2024年7月27日(土) から8月2日(金)までの期間、 令和6年能登半島地震の支援を目的に、キムソンヘ氏の作品のチャリティーオークションを実施しました。

今年5月に開催された「Jiyugaoka Sweets Festa 2024」にて、シャンデリア・アーティストのキムソンへ氏とコラボレーションし、街の人から回収した使わなくなったおもちゃを用いて自由が丘をテーマにした5つのアート作品を制作していただきました。

制作された作品は、Jiyugaoka Sweets Festa 2024の開催期間中、自由が丘の街や店舗にご協力いただき、街中にて展示を行いました。

今回は、展示された本アート作品を、令和6年能登半島地震の支援を目的とし、チャリティーオークションを開催し、入札金額の一部はの支援金として寄付しました。

《作品紹介》

No.1「薔薇/Rose」
命あるものいずれは朽ちて枯れてゆく。自由が丘商店街の一つの象徴(=シンボル)である薔薇のように、その限られた命の中を情熱的に生きてきたぬいぐるみやおもちゃを生命のシンボルとし、まるで花びらを纏って生きている薔薇のような作品を制作。
その生きた光からはどこかほのかな香りがしてくるような......。時に誰かを想って届ける花束が見せてくれるあの瞬間的な美しさと刹那的な命の在り方に、私たちの心はどれだけ動かされてきたことでしょう。
キムソンへが生み出す作品はそんな私たちの心を映し出す、光の花なのかもしれません。

No.2「自由/Freedom」
かつてこの地に好き勝手に集まってきた芸術家や文化人 たち。その彼ら彼女らに偏見を持たず寛容に受け入れた この街の歴史(姿)を思い起こさせるような作品。今年57年目を迎える「おもちゃのマミー」に集うすべての子どもたちへ、自由の大切さを継承してほしいという思いが作品に込められています。

No.3「お菓子/Sweets」
このシャンデリアは実際には食べることもできないし、菓子の容姿をしたぬいぐるみやおもちゃで作られた光ではないけれど、菓子のようにどこか甘くて優しくて、五感を用いて鑑賞するときっと喜び(希望の光)にも繋がる。食べることは身体にとって必要不可欠であると同時に、感じることも心にとって必要不可欠であるはずだ。自由が 丘スイーツフェスタのためにキムソンヘが制作した心身の中で活きる喜びのシャンデリア。

No.4「蜂(蜜)/Honey」
「丘ばちはちみつ」を生産している自由が丘商店街にとって、蜂(蜜)は大切な存在。
“honeycomb structure”(ハニカム構造)といわれる六角形の集合体でできた蜂の巣は、最小限の材料を合理的に用い強度にも優れた構造で知られています。
自然界の生物がその進化の過程で習得した自然の姿は、人間界で問題となっている環境 に 配慮した物作りを示唆してくれているかのようです 。 私たちに本当に必要なものは何なのか...? 不要になったぬいぐるみやおもちゃを用いて制作されたシャンデリアを通して、人間の姿を光として映し出していきます。

No.5「女神/Goddess」
1961年に自由が丘駅前広場に建てられた「蒼穹」(あをそら)= 通称「女神像」は、自由な女性の姿を表現した 自由が丘の像として制作されました。この「蒼穹」にちなんで1973年から始まった「女神まつり」は、約50万人が 来場する自由が丘エリア最大規模のイベントであり、自由が丘を訪れる多くの人に自由であることの素晴らしさを改めて伝えてくれます。
個々が物語を持ったぬいぐるみ とおもちゃの集合体からなるキムソンヘのシャンデリアも、個が放つ自由さ(奔放さ)がその作品の魅力を支えてい ます。本当の意味において、独立することによってのみ 得ることのできる自由を、個が放つ集合体としてのシャンデリアで表現します。

【開催日時】
2024年7月27日(土) 〜 8月2日(金)

【開催場所】
東京都目黒区自由が丘2-11-20 M dex 1F
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
主催:Jiyugaoka ART Community (自由が丘商店街振興組合)
協力:有限会社 増田商事、KIM SONGHE、Yosuke Fujiki Van Gogh Co., Ltd
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【アーティストプロフィール】

KIM SONGHE
1982年に在日朝鮮人三世として東京に生まれる。18歳まで朝鮮学校に通い、その後、織田ファッション専門学校に進学。卒業後に作家活動を始め、2005年にセレクトショップ「LOVELESS」で展示したシャンデリア作品が注目を集めたのを契機に、シャンデリア・アーティストとして独立。以降、国内外の企業やブラントへの作品提供、空間ディスプレイ、プロダクトデザインを手掛けてきた。2009年には韓国・ソウルのハラガラム美術館で開かれた「U.S.B: Emerging Korean Artists in the World 2009」展や、サンフランシスコのSUPERFROG Galleryで展示を行ったほか、2016年には初となる作品集『TROPHY』を刊行。併せてラフォーレ原宿で大展覧会「トロフィー」を開催し好評を得た。ぬいぐるみやアメリカン・トイ、達磨や招き猫、熊手といったアイテムをコラージュして作られるキムソンへの作品群。「ジャンク・コラージュ」と評される手法を採用することは、キムソンへの在日朝鮮人三世という出自と無関係ではない。作品には常にマイノリティとして生きてこざるを得なかった彼女の多文化主義に対する理想が投影されている。キムソンへが作る作品は一見ごちゃごちゃなジャンクであるようでいて、その世界は奇妙なバランスで均街を保っている。